794-操作性

携帯電話にしてもブルーレイにしても最近の電化製品の「操作性」は機能
が増えるにつれてどんどん複雑になる。


 事務所にあるパナソニックのブルーレイにしても自宅のソニーのブルーレ
イにしてもリモコンはボタンが盛りだくさんだ。

 アップルTVのリモコンと比べてみてほしい。
 
 簡潔なボタン構成。
 驚くことにi-podとまったく同じなのだ。
 電源のオンオフさえない。
 
 なのに「YouTube」から「ITMS」まで操作できる。

 操作は画面に表示されるメニューから行うのだが、このメニューが
これまた簡単なのだ。

 一貫したジョブスの哲学なのだろうが、大いに学ぶ点があると思う。

 さて携帯電話の操作性も考えてみよう。

 メーカーによって操作性が違うのは理解できる。
 しかし新製品がでる度に操作性が大幅に変わるのはどうだろう。

 新しい製品を使うための障害になってはいないか?

 自宅のブルーレイをソニーにしたのは、それまで使っていたHD/DVDが
 ソニーだったからで、操作性が同じだと考えたからだ。
 ところが、まったく刷新され、しかも使いにくいと感じた。
 もちろん慣れもあるが・・・。

 なぜこういうことが起きるのか?
 どれほど顧客を意識しているのか?

 パソコンには「クラシック表示」という機能がある。
 表示を切り替えることで、昔の操作性をエミュレートできる機能だ。

 中身はほぼパソコンなのだから、アプリケーション側で制御できる部分が
大いにあると思う。

 また番組表の表示がカラーになって賑やかになった。
 しかし正直、見にくい。
 たくさんの色を使いすぎるて余計に判別が難しくなっているのだ。

 これなどレイヤー機能で、もとめるカテゴリーのみを浮き上がらせる
など可能ではないのか?3D表示にするなんてのも面白いだろう。

 また毎日の視聴をDB化して、良く見る番組をランキングするなど
まだまだやれることは多い。インターネットでは普通のことを家庭製品に
応用するという視点だけだと思うのだが・・・。

 マーケティングの基本のひとつに「LTV」がある。
 ようは「顧客をどれだけ顧客として繋ぎとめるのか」という事だが

 そういう視点をもう少し大事にしてほしいものだ。

「使い易さ」とは何か?
「デファクトスタンダード」は何か?
「ユーザビリティー」を向上させよう。

 既存の延長線上にない発想が求められている。

  2009年03月06日   岡崎 太郎