778-MSマイクロ+A4

ここ2週間ほど、MSに新しくラインナップした「マイクロ」とスタンダ
ードであるA4サイズを併用している。


 ポケットサイズの「マイクロ」は、その携帯性のよさから、とにかくハン
ドリングがよい。福岡にいる時は気にならないが、東京に出張中などは移動
が地下鉄になるので、さっと取り出して思いついたことを記入するのも大変
楽である。他人の目も気にならない。

「マイクロ」は31枚(1月間分)のMSデイリーシートからなる「デイリ
ーブック」と1年分の月間カレンダーが中心の「マンスリーブック」の2冊
で構成されている。

 この小さいサイズで書き込めるのかと心配になるが、これが予想以上に
快適に書き込むことができる。じつはデイリーシートの面積は、従来品の
A5サイズリフィールとほぼ同じなのだ。(A5リフィールは片面だが、
マイクロは見開きに配置される)特に行動予定はワイドが拡張されているの
で、より記入しやすいと感じるほどだ。

 またマイクロの綴じは「糸かがり手帳製本」といってタフな製本方法を
採用しているので従来のバインダー方式に比べて、真ん中のリングを気に
せずに書き込むことができる。しかも真ん中を完全に折り返して使えるので
聞き込み調査中の刑事のように、また取材中の新聞記者のように立ったまま
書き込むことができるのだ。

 ただしマイクロに課題がないわけでもない。それはメモ欄である。従来の
MSにあった片側の広大なメモページがマイクロにはない。

「1日の情報は1枚のメモにまとめる」を数年続けてきた僕が一番悩んだ点
である。1日1枚にすることの効用は、省スペースで一覧性が高いこと。
情報をまとめる技術が鍛えられることだ。

 人間の記憶は素晴らしく、字の大きさやペンの種類といった手書きならで
はの情報の場合、どのページのどの辺りに書いたという記憶が残る。これが
1枚であればなお更記憶は強いのだ。パソコンやデータベースなどに頼らず
とも必要な情報は見つけることができる。人間の脳は馬鹿にできない。

 複数ページにわたって書き込まれるノートの場合、情報が点在してしまい
ページをめくるだけで疲れてしまう。1枚にまとめていれば、関連した項目
を矢印でつなぐこともできるが、複数ページに分散しているとできない。
これは一覧性が高いか低いかということだ。もちろん点在した情報をまとめ
なおせば問題ないが、その時間を確保するのが実際は難しい。

 しかしノートの利点ももちろんあるわけで、僕の方法を無理に押し付ける
つもりはない。多くのユーザーがメモの種類によって記入先を変えているの
が実際だろう。なにせA5本革バインダーにはロディアのメモパッドがセッ
トできる。

 また今まではバインダー形式だったので、必要ページをコピーしてクライ
アント別の面談ファイルを作ったりした。マイクロでも出来ないわけでは
ないが、やってみると不具合がありそうだ。この辺が気になっている点だ。
後日またレポートしてみたい。

 さて「マイクロ」には、12ページ用意されているメモページは、薄い
黄色の罫線で方眼が引かれている。(方眼の線はコピーする際には消えて
しまう)ロディアユーザーは利点がよくわかるはずだ。記入の際にガイドと
すれば小さな字を上手に書くことができる。

 実際ある森永卓郎氏の一時間半の講演を記録してみると2ページにしっか
りと書き込むことができた。ただしこのペースでメモを行うとあっという間
に使い切ってしまうことになる。僕はA4と併用なので、最悪使わなかった
デイリーシートページ、いざとなれば表紙の裏部分などを使うつもりである
が・・・。やはり自称メモ魔の方は、ほかにメモ帳またはノートが必要にな
るのは仕方ない。

 今のところ、使うシーンによってA4とマイクロを使いわけている。
目立った不都合や支障はない。

 マイクロの携帯性のおかげで行動記録は格段に記入しやすくなった。
今のところは、これを母艦であるA4に転記しているが、ロングのメモや書
き込みは、コピーしてA4シートにペタッと貼ってしまおうと考えている。

 ただ、僕はスケジュール管理に携帯電話を使っているので、どうもマンス
リーブックのカレンダーを上手に使えない。あとタスクリストが強化されて
いるのだが、この部分もまだ使いこなせていない。

 まだまだ課題はあるとは思うけれど、ツールが変われば使い方も変化する
のは当然。昔の使い方に固執せず、よいよい方法を探究する若さを失いたく
ないものである。柔軟さを失くしたその時が老化の始まりなのだから。


 

  2008年11月19日   岡崎 太郎