834-金がないなら知恵をしぼれ4

4 顧客に囲い込まれろ
 宣言型マーケティングのおもしろさはどこにある?

 

 僕は月に平均二度ほど東京に出張する。先日も同じホテルに九連泊した。
さすがに九連泊目のときには、一泊くらいタダにならないのかと思って
しまった。

 なぜそう思ったかと言うと、このホテルにはポイント制度がないために、
たくさん泊まろうがこちらにはなんのメリットも発生しないからだ。

 囲い込み戦略をどう考えているのかなぁと思うくらい、本当に何も
してないのだ。

 このホテルのスローガンである接客対応能力を極めるという方向は間違っ
てはいないけれど、一度宿泊したお客様に次回もご利用いただくために
できることは何なのかも全方向で考えるべきだと思う。

 新規客を取るのも大事だが、常宿にするようなお客様を増やすほうが、
実はコストも少なくできるのはマーケティングの定説っであるが、
どうだろう。
 
 そこで、お客自身に、東京のホテルはこのホテルと宣言してもらうという
アイデアがある。宣言頂くことで「常宿はこのホテル」であるという意識を
持ってもらうのである。

 名付けて「宣言型マーケティング」。

 たとえば、常宿宣言として
お客からホテルに「私は今年1年間に12回合計24泊します」と宣言
してもらう。

 宣言された宿泊数を達成した場合、特典としてポイントを2倍にするとか
特別料金を設定するとか、バスソルトや歯磨きセットなどの備品をグレード
アップしたり、サプライズとしてスィートルームを1泊無料プレゼントする
などすれば、お客様の目標達成意欲が高まる。

 近い例としてアメリカンエクスプレスのキャンペーンにこんなのがある。

「夏休みに高速道路を使われるなら、支払いはアメックスでお願いします」
というメッセージに続き、使うか使わないかわからないけれど、もし高速
道路の支払いに当社カードを使うとインターネットの専用ページから宣言
された方には利用した際にはポイントを2倍にするというキャンペーンだ。

 高速道路の料金所で「どの会社のカードを使うのか」を「そうそうアメッ
クスだった」と選んでもらう「しかけ」なのだ。ここに宣言の意味がある。

 この例を引き合いに出すまでもないが、ホテルも宣言型マーケティングを
やってみると面白いとイメージできただろうか。

 また、あなたの会社やビジネスでも採用できないだろうか?
 ぜひ考えてみてほしい。

課題4 顧客が定着したくなるサービスを深く考えよう!

  2010年05月25日   岡崎 太郎